
ウィルス性肺炎、インフルエンザ脳症
ウィルス性肺炎とは
ウィルス性肺炎とは、インフルエンザウィルスやRSウィルス、アデノウィルス、水痘ウィルス、麻疹ウィルスなどのウィルスが原因となって起きる肺炎のことです。
【症状】
症状は発熱や咳から始まり、次第に激しい咳が出て頭痛や嘔吐を伴う場合もあります。風邪が長引く、熱が下がらない、咳が長く続く場合はもう一度医療機関を受診してみましょう。
低月齢の赤ちゃんは、発熱や咳の症状がない場合もありますので、食欲がなかったりグッタリしていたりする場合は受診してみてください。
【予防】
基本的な予防は手洗いとうがいです。原因となるウィルスの予防接種(インフルエンザの予防接種や水痘、麻疹の予防接種)を受けておけば、重症化を防ぐこともできます。
【潜伏期間】
潜伏期間は原因となるウィルスによって異なります。
【感染しやすい時期】
多くのウィルスが関係しているので、原因となるウィルスが流行している時期は注意が必要です。生後半年~1歳くらいまでの子どもの肺炎のほとんどはウィルス性肺炎ともいわれています。
【治療方法】
一般的にウィルスに効く薬はないため、対症療法中心の治療になります。解熱鎮痛剤や抗生物質が処方される場合が多いでしょう。
自宅でのケアは、水分補給、胃に負担のかからない食事を行うことが基本です。また寝るときに頭の位置を高くしてあげると、咳の症状が和らぐこともあります。
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症は、インフルエンザを発症したのちに起きる免疫異常です。インフルエンザウィルスと戦おうと頑張った体の免疫機能が働きすぎて脳の組織を壊してしまう病気です。後遺症が残る場合も多く、死亡率も高いので注意が必要な病気ともいえるでしょう。
【症状】
38度以上の発熱、筋肉痛や関節痛、頭痛、咳や鼻水といったインフルエンザの症状に加え、けいれん、意識障害、幻覚を見る、異常行動を起こすことがあります。
【予防】
インフルエンザ脳症の予防は、インフルエンザに感染しないことです。インフルエンザが流行する前に予防接種をし、流行期間中はマスクをしたり、手洗いうがいを細目にしたりしましょう。出典元:インフルエンザの予防と治療について詳しく
【潜伏期間】
インフルエンザの潜伏期間は、早い場合は24時間以内、遅くとも3日以内といわれています。インフルエンザが発症してからインフルエンザ脳症に進行するまでは48時間以内が多いようです。
【感染しやすい時期】
インフルエンザが流行する冬の時期は注意が必要です。
【治療方法】
インフルエンザに感染したら、ウィルスが増殖する前にタミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を使ってウィルスの増殖を抑えます。ウィルスの増殖を抑えることができればインフルエンザ脳症への進行を防ぐことができる可能性がありますので、インフルエンザが疑わしい場合は早めの受診が大切です。
もしインフルエンザ脳症に進行した場合は、人工呼吸器を用いて呼吸を楽にしたり、抗けいれん薬を使ってけいれんを抑えたりします。